読書感想文

時は来た。それだけだ。

具体と抽象

よく会話の中ではポジティブな意味で「具体的に」という表現が使われ、ネガティブな意味で「抽象的だ」という表現が使われる。いやいや、抽象表現っていうのは大事なものなのですよというのが本書だ。 抽象化とは? 細部を切り捨てて特徴を抽出するというこ…

アニメビジネス完全ガイド

アニメ業界に身を投じるにあたり、業界のことをよく理解しなければならないということで色々と目を通してみたが、どうやらこの本が短いながらも業界全体を俯瞰するという意味では適していたようだった。 制作と製作の違い 言葉遊びのような感覚もあるが、役…

教養としての世界宗教史

ここ何冊か読んだ本で、人間としての死生観がどのように移り変わっていったのか、そして自分はどのような死生観なのか考えることが増えた。根本に存在しているのは宗教であることから、宗教がどのようなものなのかを知らなければならないだろうということで…

行動経済学の使い方

以前より行動経済学というものが気になっており、新書で読みやすいだろうと思いこちらを。 行動経済学とは伝統的な経済学とは違い、人の意思決定はどのようなものに基づくのか、というものを考えるもので、簡単なもので言えば月曜日の燃えるゴミを忘れずに出…

晩年に想う

アルバート・アインシュタインが1934~1950年に発表した諸著作をまとめたもので、現在では手に入れるのが難しい。こういう時の図書館ということで借りてきて一通り読んでみた。かなり回りくどい記述や、当時の訳文が読みづらいこともあり、当然ながら全てを…

救いとは何か

生命学者の森岡正博氏と宗教学者の山折哲雄氏による対談本。宗教否定派と肯定派による話ではあるのだが、森岡氏は「自分は宗教に入門出来なかった敗北者」として語っているように根底的な否定ではなく、だからこそ非宗教的な立場で「救い」について対談して…

働き方

2022年に亡くなられた、京セラとKDDIの創設者 稲盛和夫氏の著書で、過去に某社長から勧められて結局読めておらずじまいだったので、今更だが手に取って見た。 1冊通して書かれているのは、「エッセンシャル思考」の際にも触れたイーロン・マスクが Twitter …

エッセンシャル思考

ここ数年、新卒社会人向けに推薦されているのを良く見ていた。一応は目を通しておこう、という心づもりで読み始めてみた。 エッセンシャル思考とは ざっくり説明すると、何かをするなら本質を見極めるべき。物事の大半は不要/無駄なことなので切り捨てよう。…

クリティカルチェーン

読むまでまったく知らなかったが、エリヤフ ゴールドラットという方がいて、彼が生み出したTheory of Constraints (TOC) という理論があり、それを小説仕立てにして説明しながら新たにクリティカルチェーンというものが何なのかというところまでたどり着かせ…

岩田さん - 岩田聡はこんなことを話していた。 -

任天堂の社長を務めていた岩田聡さんが亡くなられて7年が経った。もうそんなに経つものなのか。随分と昔の事のように感じてしまう。検索して Wikipedia を見ていたらまた時間が経ってしまった。本当に惜しい人を亡くしたものだとつくづく思う。 そんな岩田さ…

UNIX という考え方

今やエンジニアでなくとも UNIX というものを触っていることが多いと思う。 Android や macOS の源流にあるのは UNIX だからだ。その UNIX がどういう思想のもとで使われているのかというのをハッカーの1人が書いた。 読みながらも、既に体に染み付いている…

これから「正義」の話をしよう

タイトルだけは知っており、何の本なのかは分からないがベストセラーだ…ということで手に取った。正義とは何か?正しいこととは?という問に対して、哲学者(ベンサム、カント、ロールズ、アリストテレス)の論に触れつつ、考えていくもの。当然答えは出ない…

信頼の原則

仕事における人間関係において「信頼」は非常に重要な要素であり、特に上司・部下の関係で自分が上司の立場となればより一層重要度が増す。部下に仕事の指示をする場合、少なからず信頼をしなければならないからだ。危うくもあり、強固なものである「信頼」…

失敗の本質 日本軍の組織論的研究

大東亜戦争における日本軍の失敗について、題の通り「組織論」的に突き詰めていった本。 前提として必要とされる知識が多い為に少々読みづらく、この本を簡略化した解説本的なものも多く出版されているほど。その読みづらいとされている箇所は本の6割を占め…