読書感想文

時は来た。それだけだ。

働き方

2022年に亡くなられた、京セラとKDDIの創設者 稲盛和夫氏の著書で、過去に某社長から勧められて結局読めておらずじまいだったので、今更だが手に取って見た。

1冊通して書かれているのは、「エッセンシャル思考」の際にも触れたイーロン・マスクTwitter に対して行っていることと同じことだ。

必死に、汗水を垂らし、一生懸命働くべし。
この本は、この1行を様々な例を交えて一冊の本にしている。かなりスピリチュアルな話もあり、時には時代錯誤が凄まじくて笑ってしまうこともあるが、同じように必死に働いたことがある人には共感が持てると思う。何かに対して必死に取り組んでいる時に見えることは理屈で語れない事が多い。幾つか触れていきたい。

会社を辞めるには、何か大義名分のような確かな理由がなければダメだ

稲盛氏が最初に入社した会社で辞めるか辞めまいか悩んでいた時にこの結論にたどり着き、だからこそ「ど真剣に」仕事へ打ち込み、その後は悩みなど消えていたということだ。会社を辞める時というのは何かしら不満がある。だが不満だけで辞めた時、次のステップで成功する確率は非常に低い。これは理屈ではない。必死に取り組み、それでも尚、辞めたい時は自然に分かる。その時を待つべきだ。

長期的計画は持たない

1日1日、必死に過ごすことが大事で、長期的な目標はウソになりやすい。とにかく明日に向かって1日1日大事に過ごすことが出来れば結果がついてくる、というものだ。勿論公的工事などでは大事なことだが、まずは目先の事に真剣に取り組むべきで、長期目標を立てても従業員はきっと「どうせ変わるだろう」と感じてしまったり、長期的な遠大な目標に向かうことに疲弊してしまうからだ。

目標は自分の能力以上のものを設定する

以前、自分の上司にも言われたことがある。同じ言葉ではないが、「常に自分が出来る生活よりも少し良い生活をしろ」ということだった。生活水準を上げる=お金がかかる=稼がないといけないということで、水準を上げてしまえば退路を断たれるのと同じことなので必死に働くことになるからだ。

楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する

これは Google など外資系企業でよく言われている

Think Big ,Start Small ,Scale Fast

この言葉と意味合いは同じだ。言葉は変わっているが、稲盛氏も同様の考えなのだろう。

 

また、必死に働くことで神のお告げというか、そのような神がかり的なことが起こることがある。これは誰もが一度は経験したことがあるだろう。仏教的な考え方で(稲盛氏は仏教に傾倒している)、「お天道様が見ている」的な発想だ。それについても幾つかあり、この本では触れられている。私も体験したことがある。なぜか起こるものだ。

これから社会人になる人々は、エッセンシャル思考ではなく、まずこちらを読んでほしいものだ。